日米で異なる減価償却費の計算 Depreciation – U.S. and Japan


<日米で異なる減価償却費の計算 Depreciation – U.S. and Japan>

住宅を人に貸してレント収入を受け取っている場合、レント収入から管理費、固定資産税、支払利子、修繕費、減価償却費などの必要経費を差し引いてネット・レントを算出する必要があります。米国の居住者による賃貸不動産所得の計算方法は、日本の居住者が米国の非居住外国人の身分で米国不動産に直接投資を行う場合と同一の方法です。必要経費の一つである減価償却費は、建物の購入代金(取得費)を建物が使用できるであろう期間(耐用年数)にわたって配分し、経費にしていく方法によって計算します。

米国税法上、賃貸不動産の減価償却費の計算上、鉄筋、木造、新築、中古の区別なく、耐用年数については一様に27.5年が、そして償却方法については定額法が適用されます。米国に賃貸不動産を所有する日本在住者は、日本でも米国の賃貸不動産所得を申告する義務があります。その際気を付けなければならないのが、減価償却費の計算の違いです。日本では、鉄筋、木造、新築、中古不動産の種類によって異なる耐用年数が適用されます。例えば、木造モルタル住宅は20年、鉄骨鉄筋住宅は47年が法定耐用年数として定められているという具合です。法定耐用年数の一部または全部を経過した中古物件を購入した場合は、残存耐用年数が使われ、その結果として多額の金額(加速償却費)が計算されます。日米間の耐用年数の違いにより、同一物件であるにもかかわらず二国間で全く異なる損益を申告することになります。(430)

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