配偶者の死 Death of Spouse
<配偶者の死 Death of Spouse>
米国に居住する米国籍の夫が亡くなり、遺族は永住権の妻と子供一人です。遺された財産は米国と日本にあります。
米国の遺産税 連邦遺産税は、亡くなった人が遺した財産に課せられる税金です。死亡者が米国籍の場合、米国および外国の全世界財産が連邦遺産税の対象となります。遺産税の計算は、日本の相続税のように各相続人ごとに行うのではなく、相続財産の総体で行います。全世界財産が基礎控除(2014年534万ドル)を超えた場合に遺産税が発生します。
生存配偶者への遺産分割は、婚姻控除(Marital deduction)の適用により免税となります。例えば、生存配偶者が遺産のすべてを受け継ぐ場合、534万ドル(2014年)を超えていたとしても遺産税はゼロとなります。ただし、婚姻控除は財産を受け継ぐ側の配偶者が米国籍である場合にのみ適用され、永住権の場合は配偶者免税は認められません。財産を遺す側の配偶者の国籍は、米国籍でも永住権外国籍でもかまいません。生存配偶者が永住権の場合、遺産総額が基礎控除(2014年534万ドル)を超えていなければ遺産税は発生しません。
日本の相続税 日本の相続税は、米国の遺産税と逆に、遺産を受け継ぐ相続人が課税されます。亡くなった米国籍の夫と永住権の日本人妻の両方が相続開始前に5年を超えて日本国外に居住していたため、日本国内の財産だけが日本の相続税の対象となります。遺産の金額が基礎控除を超える場合、または配偶者控除1億6000万円を超える場合に、相続税の支払いを必要とします。(264)