永住権と贈与税 Permanent Residence and Gift Tax
<永住権と贈与税 Permanent Residence and Gift Tax>
永住権と市民権とを比較して、税法上の取り扱いが大きく異なるのが、配偶者間の財産の移転にかかる贈与税(Gift Tax)および遺産税(Estate Tax)の課税関係です。婚姻控除(Marital Deduction)と呼ばれ、法的婚姻関係にある夫婦間の財産移転は、生前、死亡時を問わず、税金が一切かからずに行うことができるという規定があります。この規定は、財産の贈与または相続を受ける配偶者の国籍が、アメリカ合衆国である場合にだけ適用されます。贈与する側、遺産を遺す側の配偶者の国籍は問わないのです。
永住権配偶者は、婚姻控除を使って無税贈与および無税相続を受けることはできません。永住権保持者が配偶者から贈与を受けると、外国籍配偶者のための年間非課税贈与額(2013年$143,000、2014年$145,000)が適用となります。この額を超える贈与は、生涯非課税贈与の枠($5,340,000)の未使用分を適用して課税を免れることができます。枠を使い切った場合は、贈与税が発生します。アメリカでは、贈与税の納税義務者は贈与を与えた側であり、受贈者が納税義務を負う日本とは逆です。(90)