2州にまたがる納税 State Taxes
<二州にまたがる納税 State Taxes>
個人所得税は連邦政府だけでなく、州や市などの地方政府によっても課せられます。すべての州や市に所得税制があるわけではなく、なかには所得税が存在しない地方政府もあります。地方税の居住者・非居住者の定義は、連邦税法上の定義とは異なり、永住権保持者が必ず居住者になるとは限りません。ここでは、永住権を保持する夫婦が仕事の都合で二つの異なる州や国に別れて住んでいる場合、税務申告がどのようになるのか考えてみます。
二つの州または二つの国に別れて住んでいる夫婦の双方が永住権保持者であれば、連邦税については「夫婦合算申告」(ジョイント・リターン)または「夫婦個別申告」(セパレート・リターン)のうち、いずれか都合のいい方法で申告します。連邦税の計算上「夫婦合算申告」で申告したとしても、夫と妻のそれぞれの居住州において居住者の身分で「夫婦個別申告」を適用して州税申告を行います。そうすることによって本人分の所得だけを報告して州税の計算ができるため、節税が達成できる場合が多くあります。「夫婦合算申告」を適用すると、他方の配偶者の他州源泉所得も含めて報告しなければなりません。そして、いたって煩雑な他州税額控除の計算もしなくてはならず、場合によっては税金がより多額に計算されて不利になることもあります。(432)