非居住外国人に支払われる所得に対する源泉徴収税 Withholding Tax on Income paid to Nonresident Alien


<非居住外国人に支払われる所得に対する源泉徴収税 Withholding Tax on Income paid to Nonresident Alien>

非居住外国人が米国の商活動と実質的に関連のない所得を受け取る際、所得の種類によって税金の対象となる場合とならない場合とがあります。例えば、非居住外国人名義の米国銀行預金は国内法で免税とされていて、利子は税金を差し引かれることなく全額が支払われます。配当、ロイヤルティー使用料、年金、離婚扶助料などの非実質関連所得は、日米租税条約により、また、キャピタル・ゲイン、不動産賃貸料は米国国内法の規定により、次の通りそれぞれ異なる税率が適用されます。
● 配当: 日米租税条約第10条により10%
● ロイヤルティー使用料: 条約第12条により免税
● 年金 (社会保障年金、企業年金、保険年金): 条約第17条により免税
● 離婚扶助料: 条約第17条により免税
● 株・債券等の譲渡益 (キャピタル・ゲイン): 内国歳入法第871条により免税
● 不動産賃貸料: 選択により確定申告納税、あるいは、30%の源泉徴収税

住所が外国にあって非居住外国人であることを証明するフォームW-8BENを、所得の支払元である金融機関等に提出しておく必要があります。非居住外国人への支払いに対して正しい税率が適用されていれば、米国での課税関係はそれで完了するため確定申告の必要はありません。正しくない税率の場合は、フォーム1040NRで修正計算をして追加納税または還付請求を行う必要があります。居住国である日本では、米国で支払われたすべての所得(免税所得を含む)について、総合課税の対象所得として確定申告書上報告しなければなりません。米国で課せられた税金は、外国税額控除の仕組みにより二重課税の回避が達成されます。(399)

Copyright © 2014 Joe Oshima, CPA All Rights Reserved