Cビザ(通過用)・Dビザ(乗務員)と税金


<Cビザ(通過用)・Dビザ(乗務員)と税金>

通過用のCビザ、乗務員のためのDビザと税金との関わりについて検討します。Cビザ(トランジットビザ)は、米国を一時通過して他国へ行く外国人に発行され、認められる滞在日数は最大で29日間です。90日間のビザなしプログラムによる入国が認められる日本人は通常Cビザは不要です。Dビザ(乗務員ビザ)は、国際線輸送業務に従事する航空機または船舶の乗務員に発行されます。Dビザの乗組員は上陸後29日以内に米国から出国しなければなりません。
Cビザ・Dビザ保持者は、税法上の身分である非居住者・居住者を判定する実質的滞在条件の除外個人ではないため、年間の米国滞在日数が183日以上であれば居住者、183日未満であれば非居住者となります。両ビザとも一回の入国ごとに認められる滞在日数が29日間と短く、年間の合計滞在日数が183日を超えることは殆どありません。したがって、Cビザ・Dビザ保持者は、税法上、非居住外国人であると判定されます。Cビザ・Dビザ保持者は、通常課税対象となる米国での所得がなく申告書の提出の必要はありません。ソーシャル・セキュリティー番号を取得することもできません。
仮に、非居住外国人が米国で購入した宝くじが当たった場合、税金はどうなるでしょうか。非居住外国人が得た宝くじ所得は、30%の連邦源泉徴収税の対象となります。所得が発生した州の税金も課せられ場合があります。連邦税の課税関係は30%源泉徴収税で完結するため、確定申告の必要はありません。日本でも宝くじ所得を確定申告書上報告して税金を計算する際、米国での源泉徴収税は、外国税額控除の適用により日本の税金と相殺されて、二重課税の回避が達成されます。(366)

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