派遣管理職Lビザと税金


Lビザは、多国籍企業の重役・管理職(L-1A)および特殊技能(L-1B)の社員の社内転勤に発行される就労ビザです。企業が社員のために申請するビザであり、個人での申請はできません。配偶者にはL-2が発行され、許可を受けるとソーシャル・セキュリティー番号の取得が許され、就労が可能となります。大規模な多国籍企業の場合、一人一人の社員のためにビザを申請するのではなく、一括して会社ごと申請することが可能であり、社員を米国に派遣したいときにその都度申請する手間が省けます。

Lビザ保持者は、「実質的滞在条件」が適用され、183日を基準とした滞在日数よりも長いか短いかによって居住者あるいは非居住者になります。赴任年度と離任年度に滞在日数が少ないため非居住者になる場合がある以外、居住者とされて米国市民同様、全世界所得を申告して納税する義務があります。居住者は全世界所得が課税対象になり、項目別控除または概算額控除のどちらか有利な控除方式を選択して税金計算ができます。非居住者は米国源泉所得だけが課税対象になって、必ず項目別控除方式を適用して税金計算をしなければなりません。社会保障税(ソーシャルセキュリティー税とメディケア税)に関しては、日本からの赴任期間が5年未満の場合、日米社会保障協定に基づいて日本の社会保障税に継続加入することにより、米国の社会保障税が免除されます。就労配偶者の社会保障税の免除は受けられません。連邦贈与税法上、および、遺産税法上、所得税での取り扱いと異なり、必ず非居住外国人となります。(733)

 

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