相続税/遺産税  日米比較


 

日本の相続税 (Inheritance tax) は、財産を受け継ぐ遺族(相続人)に対する課税であるため、納税義務者は相続人です。 米国の遺産税 (Estate tax) は故人(被相続人)の遺した財産(遺産)に対する課税であるため、納税義務者は被相続人(実際には遺産管理人・執行人)です。贈与税も同様に、日米で納税義務者が逆になっていて、日本では受贈者が、米国では贈与者が納税義務者になります。

日本の相続税は、2019年現在、10%から55%までの8段階の累進税率で、課税対象となる相続財産が基礎控除の金額を超える場合に税金の支払を必要とします。基礎控除は3000万円の定額控除に法定相続人一人当たり600万円の比例控除を加えた金額です。法定相続人の人数が多ければ基礎控除も増加して、相続税の総額が減額する仕組みとなっています。

米国の遺産税は、18%から40%までの10段階の累進税率で、課税対象となる遺産の金額が基礎控除1億1400万ドル(2019年)を超えれば税金が発生します。米国の遺産性は富裕層だけに適用となると言うことができます。永住権保持者は外国籍であるため、必ずしもこの大幅控除の恩恵を受けられるとは限りません。永住権保持者が米国にDomicile (定住地) があり、遺産税法上、米国籍と同等の身分判定を受けることができれば、この1億1400万ドルの基礎控除の適用を受けます。非居住外国人は、課税対象となる遺産の種類や基礎控除が異なるため注意を要します。(715)

 

 

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