予定納税の過少納付加算税
所得税は、源泉徴収または予定納税によって年内に概算額を払い込んでおいて、年明けの確定申告時に過不足の金額を計算して税金の精算を行います。源泉徴収とは、毎月の給与支給のたびに給与から差し引かれた税金を雇用主が内国歳入庁(IRS)へ納める制度のことです。予定納税とは、給与以外の自営業事業所得や利子、配当、譲渡所得などにかかる税金を、納税者が年内に4分割して四半期ごとにIRSへ払い込む制度のことです。
源泉徴収や予定納税により前もって納められた金額が、確定税額(確定申告書で計算された税金額)と比べて1000ドル超不足していると、予定納税の過少納付加算税というペナルティーが課せられます。ただし1000ドル超の不足額があっても、年度内の源泉徴収および予定納税による納付額が確定税額の90%以上であれば、ペナルティーは生じません。年度終了前に確定税額を的確に予測するのは極めて困難である事実を考慮して、IRSは予定納税の安全圏規定(セーフハーバー・ルール)を定めています。すなわち、前年度の確定税額の100%(夫婦合算申告の調整総所得が15万ドル超は110%)以上を年内適時に納付してあれば、たとえ不足額が多額であったとしてもペナルティーを確実に回避できるという規定です。
なお、過少納付加算税ペナルティーの計算には、3か月ごとにIRSによって公表される延滞利息・還付金利息のための法定利率(2019年第1四半期は6%)が使われます。(710)