IRA・年金基金の最低分配税


IRA個人退職基金は、元来会社の年金制度に加入できない自営業や中小企業勤務者のために設けられた、退職後の資金形成のための貯蓄奨励制度です。IRA口座は、納税者が銀行などの金融機関で開設できます。口座に毎年一定額を退職後の資金形成目的で積み立てていき、加算される利息や配当などの収益は非課税、拠出金は条件を満たせば所得控除できるという優遇措置です。従来型IRAとRoth IRAの二種類が代表的であり、その他にSEP IRA、SIMPLE IRA と呼ばれる制度があります。いずれも拠出金と運用益が非課税扱い、あるいは、課税繰り延べの税制上の特典があります。ただし、納税者が満59.5歳に達する前にIRAから分配を受け取ると、特定の例外を除いて、通常の所得税に加えて10%の早期分配税(罰金)が課せられます。

拠出の原資は賃金、給与、報酬、自営業収益などの労働の対価(Earned Income)に限られ、年金基金からの引き出しや利子、配当、キャピタル・ゲインなどの投資所得から拠出することはできません。納税者の年齢が70.5歳に達しているにもかかわらずIRAや適格年金制度の基金から分配を受けることなく、そのままにして基金に貯め込んでおくと、50%の最低分配税(罰金)が課せられます。最低分配はIRAや適格年金制度の基金の額を納税者の推定生存年数で割った金額です。フォーム5329で計算します。(697)

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