遺留分の割合
遺言は、財産を残す人の自由な意思で財産を処分する方法です。もしも財産のすべてを家族以外の誰か他人に与えるという遺言が残されたとすると、遺された家族にとってはあまりに非人道的といえることが世の中にまかり通ることになります。そこで日本の民法は、遺留分制度によって一定基準を相続財産から遺族に残すようにと定めています。遺留分を受けられる相続人は、配偶者、直系卑属(子や孫)、直系尊属(父母)に限定されています。
相続人に保証されている遺留分の割合は、配偶者および子とその代襲者は、相続財産の2分の1、父母(直系尊属)は3分の1と定められています。この割合は法定相続人全体に残される分を示しているので、相続人が複数いる場合は、この遺留分をさらにそれぞれの割合で分けることになります。相続人が配偶者だけのときは、遺留分は2分の1です。配偶者と子がいるときは2分の1を分け、配偶者4分の1、子4分の1となり、子が複数のときは4分の1を頭割りにします。相続人が子だけのときは、遺留分は2分の1(複数のときは頭割り)です。
相続人が配偶者と直系尊属(父母)のとき、遺留分は配偶者3分の1、直系尊属6分の1です。直系尊属(父母)だけのときは3分の1(複数のときは頭割り)です。相続人が配偶者と兄弟姉妹のときは、慰留分は配偶者2分の1、兄弟姉妹は取り分ゼロとなります。(634)