法定相続分
人が亡くなった時、遺族の誰がいくらの財産を相続するかが問題となります。それぞれの相続人の遺産に対する権利の割合のことを「相続分」と呼びます。遺されたのが配偶者だけで子も親も兄弟もいない場合や、子供一人だけの場合は、一人の相続人が全財産を相続するため、相続分は問題になりません。相続分が問題となるのは相続人が二人以上いる場合です。
自分の死後、財産を誰にどれだけ与えようとも、基本的には故人の自由であり、その意思を遺言に示すことが可能です。日本で遺言なしに人が亡くなった場合、故人(被相続人)の意思を法律によって推定して相続分を定めた「法定相続分」に従って相続することとされています。一般に相続分という場合、「法定相続分」を指しています。その割合は、誰が相続人であるかによって異なります。配偶者と子が相続人である場合の相続分は、配偶者が2分の1、子が2分の1です。子が2人以上の場合は2分の1を均等に分けます。配偶者と父母・祖父母の場合、相続分は配偶者が3分の2、父母・祖父母が3分の1です。配偶者と兄弟姉妹の場合、相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1を均等に分けます。(633)