特定世帯主を既婚者に適用する特例


扶養家族を抱えた独身者は、特定世帯主(Head of Household)の税率表を適用すると、独身(Single)の税率表での計算よりも税額が少なくなって有利となることは知られています。例えば、課税所得を5万ドルと仮定して2015年の連邦所得税を計算すると、独身では8300ドルになるのに対して、特定世帯主では6846ドルとなり、1454ドルの節税になります。課税所得が高額になればなるほど、その差は大きくなります。

特定世帯主の申告資格を適用するための条件は、①独身者であること、②扶養家族を養っていて、納税者が扶養家族の年間生活維持費の50%以上を負担していることです。配偶者と死別して再婚していない場合、未婚の母または父の場合、独身者が養子縁組により扶養家族を養っている場合、親兄弟を養っている独身者の場合などが特定世帯主に該当します。

既婚者にひとつだけ特定世帯主の特例が定められています。納税者が非居住外国人(Nonresident Alien)と結婚していて、扶養家族を養っている場合です。働いていて収入のある納税者が米国市民、あるいは、居住外国人であり、扶養家族を抱えていて、配偶者のステータスが非居住外国人である場合に、夫婦個別申告のかわりに特定世帯主の税率表を適用することによる節税が認められます。非居住外国人の例として、Aビザ、Gビザ、Fビザ、Jビザ保持者、日本滞在の日本国籍保持者が考えられます。(563)

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