死亡と税金
永住権を保持する日本国籍の夫が亡くなった場合の税金関係について検討します。死亡というとすぐに思いつくのが相続税・遺産税ですが、その前になすべきこととして所得税の申告があります。生前、毎年提出してきた連邦と州の所得税の最後の年度の申告書の提出です。死亡年度は、夫婦合算申告(ジョイントリターン)の税率を適用して所得税の計算をすることが認められます。ただし生存配偶者が年末時点で再婚していないことが条件です。報告する所得は死亡配偶者分は1月1日から死亡日までの間の所得です。生存配偶者分は、1月1日から12月31日までの年間全所得です。申告書の上方の空白に、“Deceasedおよび、死亡者氏名と死亡日” を書き込みます。申告書には生存配偶者が署名をして、死亡配偶者の署名欄に“filing as surviving spouse”(生存配偶者による申告)と記入すると、一人分の署名だけで提出できます。あるいは死亡配偶者に代わって遺産管理人・執行人が署名することもできます。
死亡後に死亡者の財産に加算される利子、配当、レントなどの収益は、個人所得税の対象とならず、遺産所得税申告書(Income Tax Return for Estates)フォーム1041で申告して納税します。税率は個人所得税と同じ累進税率です。遺産所得税申告書は、遺産が分配される年度まで毎年提出します。遺された遺産の種類、所在国、金額によって、連邦遺産税、州遺産税・相続税、日本の相続税の申告を必要とします。(502)