遺言がある場合のプロベート(検認)手続き
遺言がない場合と比べて遺言がある場合、米国のプロベート(検認)手続きにかかる時間は大幅に(1~3年から6ヵ月に)短縮され、より早い確実な相続分配の執行がなされます。遺言がある場合のプロベート手続きは、まず遺言執行人が遺言書と死亡証明書をプロベート裁判所に提出することから始まります。裁判所はその遺言の有効性を確認します。
次に、遺言で遺言執行人に指定された者が認証を受けるため申請書を提出して、権限付与書(Letter of Grant)の発行を受けます。これにより、遺言執行人が任命を受けて遺言執行手続きを遂行することができます。遺言執行人は財産を調査特定し、財産目録と名義証書を提出します。財産の評価は公正市場価格で行います。被相続人の死亡時点で弁済すべき債務を、遺産の中から支払い、さらに債務弁済後の遺産に課せられる遺産税(Estate Tax) の申告と納税を行います。遺言執行人は、故人に代わって残った財産を、各相続人に遺言どおりに分配処理します。
遺言には、州法とは異なる遺産分割方法の指定、法廷相続人以外への遺贈、慈善団体への遺贈、相続人の廃除、未成年相続人に対する後見人の指定などの事項に関する意思表示が明記されます。すなわち遺言には、誰にどの財産をどのように分配するかが記述されています。(470)