日本の相続税126-相続 借地権・借家権の相続


<日本の相続(126)-借地権・借家権の相続>

 借地人や借家人が死亡すると、相続財産の中に借地権や借家権が含まれ、相続人がそれらの権利を引き継ぎます。引き継ぎ後、相続人が借地人や借家人となります。借地借家法上は、借地権とは建物を建てる目的の、賃借権または地上権のことをいいます。借地権とは、建物の賃借権のことです。無償で土地などを借りている場合の権利は使用借権と言われ、相続財産には含まれません。

契約した本人が死亡したことを理由として、相続人に対して地主や家主が明渡しを求めてくることがあります。しかし、相続には地主や家主の承諾などは不要ですから、明渡しが請求されてもその請求を拒否することができます。名義書換料の請求があっても支払う必要はありません。

公営住宅の場合は例外で、その使用権(借家権)は相続できません。公営住宅の使用権は公法上のもので、相続を認めると入居資格を満たさない相続人が公営住宅に入居できることになるからです。最高裁は平成2年10月18日の判決で、公営住宅の使用権は相続財産に含まれないと判断しました。ただし、死亡した入居者の同居の親族は各地方自治体の条例に従って手続をすることで、使用権の承継が認められるのが普通です。(231)

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