日本の相続税114-相続 先妻の子の相続権
<日本の相続(114)-先妻の子の相続権>
離婚した夫婦は法律上お互い他人となるため、離婚後元夫婦の一方が死亡しても、元配偶者には相続権はありません。一方、離婚訴訟中や長年別居していて離婚届を出していない状態で配偶者が死亡した場合には、夫婦の実態はなかったとしても、籍があるため残された配偶者は相続権を持ちます。
離婚した夫婦間に子がいた場合には、親権がどちら側にあろうとも、子との親子関係が切れることはありません。離婚した夫婦の子は、両親のどちら側についていても、また父親または母親が再婚して姓が変わっていても、親子の縁は切れることはなく、法定相続人としての権利を有します。再婚相手との間に子供が生まれていれば、先妻の子は後妻の子と同じ割合で相続権を持ちます。
先妻の子も後妻の子も、法律的には「嫡出子」と呼ばれて相続上の権利は平等です。つまり先妻の子だから遺産をもらう資格がないとは言えません。たとえ相続権を放棄するという念書が取ってあっても、そのような念書は無効です。もちろん、先妻の子が遺産を受け取る必要はないとして相続放棄することもできます。それとは逆に、遺言の指定相続による遺産分割が先妻の子の持分権利を侵害したとして「遺留分減殺請求」をすることもできます。また、先妻の子が先に死んでいた場合、先妻の子の子供が代襲相続人になります。(114)