日本の相続税105-相続 相続熟慮期間
<日本の相続(105)-相続熟慮期間>
遺産相続は、故人が生前に所有していた財産上のすべての権利義務を相続人が継承するため、借金などのマイナスの財産(負債)も取得します。明らかに負債の方が多い場合は、相続を放棄する権利や、相続財産の限度で責任を負う限定承認の権利が、民法で認められています。
相続を放棄するか承認するかの選択は、自分が相続人になったことを知った時から3ヵ月の「熟慮期間」以内に行わなければなりません。故人と疎遠で遠方に離れていたため、または財産の種類が多く権利関係が複雑なため、相続人調査や相続財産調査に3ヵ月以上の時間がかかるおそれがある場合は、家庭裁判所に熟慮期間の延長を申請することができます。一人の相続人の申請で共同相続人全員の延長ができます。
単に相続が開始されたことを知っただけでなく、「相続人が相続財産の全部もしくは一部を認識した時」も3ヵ月をかぞえる起算点となります。故人と法定相続人の関係は、夫婦、親子の場合が圧倒的に多いため、死亡日が起算点となるのが一般的です。半年後に死亡を知り相続財産を認識したなら、勿論半年後が起算点です。先順位の相続人がすべて相続放棄をしたため次順位の者が相続人となった場合には、「先順位の相続人が全員相続放棄をした事実を知った日」が起算点となります。(105)