日本の相続税88-相続 遺言の目的


<日本の相続(88)-遺言の目的>

遺言は、決して特別なものではなく、財産や相続税の金額に関わらず、また、トラブルのあるなしに関わらず、誰でも残しておくことが勧められます。自分の置かれた家族関係や状況を的確に把握して、それにふさわしい形で財産を継承させるように遺言しておくことが、遺産争いを予防し、後に残された者が困らないために必要です。

複数の相続人に法定相続とは異なる分け方をしたい人や相続人以外の第三者に財産を与えたい人などは、遺言によって目的を達成できます。遺言が特に必要となるのは、次のケースです。

  • 夫婦の間に子がなく、配偶者と親か兄弟が相続人となる。
  • 複数の子がいる。先妻の子と後妻の子がいる。
  • 特別に多くの財産を与えたい子がいる。
  • 相続権のない孫や兄弟に遺産を与えたい。
  • 子の嫁に財産を与えたい。
  • 内縁の妻や認知したい子がいる。
  • 同族会社や個人事業者で、後継者を指定しておきたい。
  • 生前世話になった第三者に遺産を分け与えたい。
  • 遺産を公益事業に役立たせたい。

いずれもトラブルが予想されるか、あるいは遺言がなければ実現しないことがらです。(193)

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