日本の相続税70-相続 預貯金の評価
<日本の相続(70)-預貯金の評価>
相続財産の評価は、遺産分割や相続税算出のために必要不可欠です。殆ど誰にでもある財産である預貯金は、原則、相続開始日の残高を財産価額とします。利息の少ない普通預金や通常貯金は、相続日の残高がそのまま課税額(相続税評価額)になります。ただし、定期預金や定期郵便貯金など、普通預金よりも利率と貯蓄性が高いものは、相続日時点で解約した場合の利息(解約利率による既経過利子)を加えて評価しなければなりません。計算した利息から20%の源泉所得税分を差し引いた金額を、預金残高に加えた金額が定期預金の評価額となります。
金融機関は、相続開始を知った時点で口座を凍結し、預貯金の口座取引を停止します。金融機関から残高証明書の発行を受け、預貯金の金額を確認して遺産に計上します。遺産相続が確定するまで死後数ヵ月間、凍結は続きます。預貯金が引き出せなくなると葬儀費用や当面の生活費にも困るという切迫状況の場合、金融機関に申し出ると通常150万円を限度に引き出すことができます。手続きは遺族の代表が行い、故人の除籍謄本と実印、法定相続人(全員)の戸籍謄本と印鑑証明、預金通帳と届出印などを必要とします。(174)