日本の相続税45-相続 債務控除


<日本の相続(45)-債務控除>

 相続によって故人から引き継ぐ財産には、預貯金、有価証券、不動産などプラスの財産だけでなく、借金などのマイナス財産(消極財産)も含まれます。相続放棄をしない限り、相続人は故人に代わって借金を返済しなければなりません。債務を引き継いだ場合、相続財産から差し引いて相続税を計算する「債務控除」の制度を利用することができます。

例えば、死亡時点で故人の債務として確実に支払わなければならない住宅ローンなど金融機関への債務、クレジットローンなど各種の未払債務、事業上の買掛金、敷金や保証金などの預り金、生前の医療費・入院費などです。故人にかかる所得税、固定資産税、住民税などの税金で未納のもの、そして、常識的な範囲内の葬式費用も控除が認められます。墓地や仏壇など非課税財産の未払い債務は、債務控除が認められません。

法定相続人や遺言によって包括遺贈を受けた包括受遺者で、故人の債務を負担した人に控除が認められます。相続放棄した人が、生命保険金などから債務を負担した場合は、控除の対象にはなりません。(150)

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