項目別控除:慈善寄付 Charitable Contributions
<項目別控除:慈善寄付 Charitable Contributions>
慈善寄付は、項目別控除の一つとして控除が認められます。納税者の所得レベルに適用される税率を寄付に掛けた金額が戻ってくる額であり、寄付の金額よりも常に少なくなります。例えば、実効税率35%の納税者が1000ドルを寄付すると、350ドルの税金還付となります。寄付の金額と同額の税金が還付されると考えるのは誤解です。控除が認められるためには、IRS(内国歳入庁)からチャリタブル・オーガニゼーション(非営利慈善団体)の認可を受けている米国の組織への寄付でなければなりません。
寄付の金額が250ドル未満の場合、慈善団体からの領収書、または、支払済小切手が証拠となります。250ドル以上の寄付は、支払いを証明する書面による確認状を慈善団体から取得しておかなければなりません。この場合、支払済小切手だけでは寄付の証拠として不十分です。品物や入場券などの見返りが寄付に含まれているのであれば、控除額はその分削減されます。75ドル超の寄付で、品物や、入場券などの見返りが含まれている場合は、見返りの価値を明記した確認状を慈善団体から受け取っておく必要があります。(63)
現金ではなく現物を慈善団体に寄贈した場合も慈善寄付控除が認められます。寄贈物件の種類によって取得費または時価が控除の金額となります。取得時の領収書、寄贈時の時価を示す書類、および、慈善団体が発行する寄贈物件の受領確認状を必ず保管しておかなければなりません。
1年以上保有した含み益のある株式および不動産の贈与は、時価が控除の金額です。1年未満保有の株式、不動産、および、保有期間に関わりなく衣類、家具、書籍、宝石、美術品、什器などの場合、原則として取得費または時価のいずれか低い方の金額を慈善寄付の評価額とします。
250ドル以上の現物贈与は、証拠として慈善団体から物件の受領を示す確認状を受け取っておく必要があります。500ドル超の場合は、フォーム8283に慈善団体名と住所、寄贈物件の説明、寄贈日、取得日、取得の手段、取得費、時価、その評価方法などを記入して、スケジュールA(項目別控除)と共に確定申告書に添付提出する義務があります。5000ドル超の場合、しかるべき専門家による鑑定書を必要とします。(64)
慈善寄付の控除が認められるためにはIRS(内国歳入庁)からチャリタブル・オーガニゼーション(非営利慈善団体)の認可を受けている米国の組織への寄贈でなければなりません。以下が適格団体の例です。
- 宗教目的――キリスト教教会、ユダヤ教寺院、回教寺院、仏教寺院等。
- 慈善目的――ボーイ・スカウト、ガール・スカウト、赤十字、ユナイテッド・ウエイ、YMCA、YWCA、癌協会、小児麻痺・エイズ等救済募金運動、救世軍等。
- 科学、文化、教育目的――病院、研究機関、大学、学校(ただし人種差別を行わないこと)、各種教育機関、犯罪麻薬撲滅運動、図書館、美術館、博物館、交響楽団、室内楽団、オペラ団、バレエ団、劇団、音楽堂、劇場、公序良俗改善運動、社会福祉促進運動等。
- 一般公益増進目的、その他――児童虐待防止運動、動物愛護協会、アマチュア・スポーツ競技促進協会、司法扶助団体、墓地、連邦政府、州・地方自治体政府、各種政府機関。
友愛目的――退役軍人組織、ロータリー・クラブ、ライオンズ・クラブなどの友愛組合、非公益目的団体への慈善目的基金。(65)