外国税額控除 Foreign Tax Credit


<外国税額控除 Foreign Tax Credit>

源泉地国で一度課税を受けた所得を、米国で課税対象の所得として報告することによって生じる二重課税の問題を解決するために設けられた制度が「外国税額控除」の規定です。外国所得税の支払いがあった場合、納税者は選択により項目別控除または外国税額控除のいずれか有利な方式を適用することができます。項目別控除は課税所得の算出過程で調整総所得から差し引く費用の控除であり、外国税額控除は計算された税額から直接差し引く税金の控除です。控除方式は年度ごとに選択できます。同一年度に2つの控除方式の混同適用は認められないため、一部の外国所得税には項目別控除を、他の外国所得税には外国税額控除を適用することはできません。

外国税額控除が認められるためには、①外国税は米国の所得税と同等の税金であること、②控除枠を形成する十分な外国源泉所得があること、③税額控除の限度枠の計算書フォーム1116を確定申告書フォーム1040に添付提出すること、を必要とします。外国所得税の金額が300ドル以下(夫婦合算申告は600ドル以下)で、かつ外国所得税の種類が利子、配当などの投資所得だけの場合、控除限度枠の計算書フォーム1116を添付することなく外国税額控除が認められます。控除限度枠を超えたため否認されて税額控除が認められず未使用となった外国税は、他の年度に繰り延べられます。繰延年度は、繰り戻し1年、繰越し10年です。(380)

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