在宅勤務と州税の問題 Telecommuter Tax
<在宅勤務と州税の問題 Telecommuter Tax>
コンピューター時代の到来により、テレコミューティングと呼ばれる在宅勤務は、雇用主、被用者双方にとって便利なため重宝がられ、ますます盛んに行われています。従業員が物理的に会社に出勤せず、自宅にいながらにしてインターネットやスカイプで会社と連絡を取り合い、必要とされる仕事を出勤従業員と同等に遂行します。在宅勤務者の自宅住所が会社の所在州にある場合は、給与に対する源泉徴収と州所得税の申告を同一の州で行うため問題は起こりません。自宅住所が会社の所在州と異なる州にあり、会社の便宜のためではなく従業員の便宜のために在宅勤務を行っている場合は、州税上の問題を起こすため注意を要します。
例えば、フロリダ州の居住者がニューヨーク州内にある会社の従業員として、フロリダ州の自宅で働いていたとします。フロリダ州で働いて得た給与所得であるため、ニューヨーク州では課税対象にならず会社は源泉徴収を行う必要がなく、本人も確定申告の必要はないと解釈していました。また、フロリダ州には所得税制度がないため所得税申告の必要はありませんでした。
会社にニューヨーク州の法人税の税務調査が入り、テレコミューティングが問題となりました。会社の便宜のためであれば問題なかったのですが、従業員の便宜による場合はあたかも本人がニューヨーク州の会社に出勤して役務を提供したことと同等とみなされました。会社は、ニューヨーク州源泉税を徴収され、従業員は個人所得税の申告書の州への提出を義務付けられました。在宅勤務の動機が州税の決定に重要な鍵を握っていることにご注意ください。(291)