キャピタル・ロス(譲渡損)の繰延控除


 

株やミューチュアル・ファンド、債券など投資目的で購入して保有していた資産を売却した場合、取得費よりも高い値段で売却した場合に譲渡益(キャピタル・ゲイン)が、取得費よりも低い値段で売却した場合に譲渡損(キャピタル・ロス)が発生します。購入してから売却するまでの保有期間が1年超の長期キャピタル・ゲインは最高20%の優遇税率が適用されます。保有期間が1年以下の短期キャピタル・ゲインは通常の所得税率が適用されます。キャピタル・ロスは控除が認められます。

キャピタル・ロスを控除する際、一定の順序を守らなければなりません。キャピタル・ロスは、キャピタル・ゲインと相殺します。相殺後に長期キャピタル・ゲインが残れば、前述の20%の優遇税率を適用して税金を計算します。相殺後に短期キャピタル・ゲインが残っていれば、その金額は他のすべての所得と合算して、通常の所得税率(10%~37%の累進税率)が適用されます。 キャピタル・ゲインよりキャピタル・ロスの方が多く、相殺後にロスが残った場合は、給与、利子、配当、事業所得などの通常所得と相殺できます。ただし、1年間に最高3000ドル(夫婦個別申告は1500ドル)が相殺控除の限度額となっています。 相殺控除後、まだキャピタル・ロスが残った場合は、翌年に繰り延べられ、キャピタル・ゲインや通常所得との相殺控除が可能です。繰り延べ年数は、キャピタル・ロスが相殺控除によって無くなるまで無期限です。 (706)

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