親からの仕送りと贈与税


米国在住の永住権保持者。親から生活費と教育費の援助を受けています。この送金は贈与税の課税対象になるのではないかという疑問について検討します。親や祖父母から送られてきた送金のうち、通常生活費または教育費として必要と認められる金額については、日本、米国とも贈与税の課税対象にはなりません。

生活費とは、家賃、水道光熱費、食費、養育費、治療費などの通常の日常生活を営むのに必要な費用のことをいいます。教育費とは、子や孫の授業料、教材費、文具費、交通費などで、義務教育費に限らず、教育上通常必要と認められるものをいいます。援助を受けた者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して、社会通念上適当と認められる範囲の財産を指します。生活費、教育費として確実に使用されていれば、特に金額上の制限はありません。

仕送りが生活費、教育費に充てられず、預貯金となっている場合、株式や住居の購入に充てられた場合のように、生活費、教育費に費やされた分については贈与税の課税対象となります。婚姻に当たって子が親から受けた金品、親が負担した子の結婚式および披露宴の費用なども、親の扶養義務の範囲内であれば贈与税の課税対象にはなりません。ただし、親から結婚祝いと称して、車や不動産、あるいは投資資金などまとまった大きな金額のものを送られたりすると、それは常識的な範囲を超えているとして、贈与税の問題が生じます。(674)

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