災害盗難損失控除
個人の所有財産、例えば住居、家具、車、宝石、現金などを災害によって失ったり、物件の価値を著しく損ねたり、あるいは盗難によって失ったりした場合、項目別控除の一つである「災害盗難損失控除」が認められます。控除方式を項目別控除方式を採用して税金計算を行う場合だけにこの控除が取れます。概算額控除(スタンダード・ディダクション)方式を採用すると災害盗難損失は控除できないのです。
控除の対象となる金額は、まず保険による補填額を除き、災害1件につき$100を超える部分を把握します。さらに損失の合計額が調整総所得の10%を超えた部分が控除の金額です。損失合計額が10%の「足切り制限」以下の場合、控除は一切認められないため、損失が多額でない限り控除の対象となりません。災害や盗難が頻繁に生じることもないので、見かけることの少ない控除です。
災害とは、ハリケーン、台風、暴風雨、竜巻、洪水、地震、津波、地すべりなどの自然現象、火災、自動車事故、暴動、動乱、またはテロ行為などによる破壊を指します。災害は、突然で、予期不能な、常軌を逸した破壊力によって生じたものでなければならず、家屋の侵食、腐食、シロアリ浸食のように、自然的に一定期間を経て生じた損害は控除の対象となりません。(622)