日本の相続税51-贈与税額控除
<日本の相続税(51)-贈与税額控除>
贈与税額控除は、相続財産の課税価格に生前贈与が加算された者に適用される税負担軽減措置です。
相続税の課税価格の計算では、相続開始前3年以内に被相続人(故人)から財産の贈与を受けていた場合、その贈与財産の価格は、見なし相続財産として相続税の課税価格に加算しなければなりません(生前贈与加算規定)。
贈与時点で既に贈与税が課税されているため、生前贈与加算規定に従って生前贈与分を相続税の対象に入れて相続税を計算すると、同一財産に対して贈与税と相続税の二つの税金が重複課税されることになります。この二重課税を回避する方法として認められるのが、贈与税額控除による税負担調整です。
贈与税額控除として相続税額から控除される金額は、生前贈与があった年度分の贈与税のうち、相続税の課税価格に加算された贈与財産の価格に対応する税額です。相続間際に多額の贈与があったため、贈与税が相続税の算出税額よりも多額の場合、税額控除として認められるのは相続税の金額までであり、超過税額が還付されるということはありません。(156)