主たる住居の早期売却益免税 Early Sale of Residence – Exclusion
- At December 13, 2013
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<主たる住居の早期売却益免税 Early Sale of Residence – Exclusion>
主たる住居の売却益が免税となるためには、2年間の居住条件および所有条件を満たす必要があります。2年未満の早期売却であっても、一定の例外に該当すると売却益の一部が免税となります。一定の例外とは、健康や転勤、その他の予期できない事情により、2年間の居住条件および所有条件を満たさずに住居を売却した場合です。按分比例によって減額された売却益が免税となる金額です。その他の予期できない事情の例として、自然災害による住居の破壊、死亡、離婚、失業などが考えられます。
たとえば、ある納税者が2012年に、主たる住居をニューヨークで購入して住み始めたとします。その後、体調を崩したため病院で精密検査を受けたところ、末期疾患の診断をくだされて手術と長期入院を必要とすることになりました。住居は必要がなくなったため、購入から1年後、売却して8万ドルの売却益を得ました。この場合、健康による早期売却の例外に該当します。2年間の居住条件および所有条件のうち2分の1だけを満たしたため、8万ドルの売却益のうち4万ドルだけが免税となり、残りの4万ドルは課税対象となります。
早期売却の原因が、健康、転勤、その他の予期できない事情である場合、例外規定が適用されて減額された売却益が免税となります。適格該当者には、納税者本人や配偶者ばかりでなく、納税者の住居を日常の住まいとしている同居人、共有名義による住居の所有者が含まれます。(445)
不動産譲渡に課せられた源泉税の精算 Refind of Withholding Tax on Real Estate Sale
- At November 25, 2013
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<不動産譲渡に課せられた源泉税の精算 Refind of Withholding Tax on Real Estate Sale>
非居住外国人が米国内に所有していた不動産を売却する際、買い手は売却価格の10%の源泉税を差し引いてIRS(内国歳入庁)へ納付する義務があります。主たる住居の譲渡益のうち25万ドルまでが非課税扱いとなる場合や、売却価格が取得費よりも低いため売却損になる場合であっても、売り手がIRSから源泉税の免除を認可する証明書の発行を受けない限り、10%源泉税を回避することはできません。源泉税免除の証明書の発行を受けるためには、事前に申請書フォーム8288-Bと免除の根拠を示す書類をIRSに提出する必要があります。州によっては、州外居住者による不動産売却に対して、源泉徴収または予定納税による納税を必要とする場合があります。
不動産の売却価格が30万ドル以下であり、購入者がその物件を今後自分の日常的な住まいとして取得する場合には、10%源泉税の対象とはなりません。
10%源泉税は最終的な税金ではなく、売り手は年明けの提出期限までに確定申告書フォーム1040NR を提出して、税金の清算をする義務があります。確定申告書に譲渡損益計算書と源泉徴収票フォーム8288-Aを添付して、税金の還付を受けるか、あるいは、追加の支払いをすることになります。米国不動産の譲渡益は、日本でも課税対象になります。米国で支払った税金について日本で外国税額控除を受けられるのは、10%源泉税ではなく、清算後の最終税額です。(448)
帰国後の米国住居の売却 Sale of Residence by Non-Resident Alien
- At November 25, 2013
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<帰国後の米国住居の売却 Sale of Residence by Non-Resident Alien>
日本へ帰国することになり、それまで住んでいた米国の住居を売ることになりました。すぐに買い手が決まらなかったため、売買契約は米国を離れた後になりました。グリーンカード所持者以外の日本人が日本へ帰国すると、米国税法上、非居住外国人と呼ばれる身分になります。非居住外国人が主たる住居を売却処分した場合であっても、売却前の5年間のうち2年間以上、本人がその不動産を所有し、日常の主たる住居として使っていれば、譲渡益のうち25万ドルまでの金額について非課税扱いにすることができます。不動産の名義が夫婦の片方である場合は、一人分25万ドルだけが非課税となります。夫婦の共同名義であれば、非居住外国人の夫婦個別申告書上、それぞれ25万ドルまで、合計50万ドルについて非課税扱いにすることができます。
非居住外国人になってから米国の不動産を売却する場合に避けることできない税金の問題がもう一つあります。それは不動産売却価格に課せられる10%源泉徴収税です。不動産の買い手は、住居の代金を売り手に引き渡す際、売値の10%をIRSへ納付する義務を負っています。残りの90%が住居の代金として売り手に支払われます。納税者(売り手)がIRSから事前に特別免税許可を受けていない限り、たとえ税金が発生しない取引きであることがわかっていても、この10%源泉徴収税を回避することはできません。不動産売買の翌年の4月15日までにIRSへ確定申告書を提出して、税金の精算をして還付を受けます。日本の居住者になってからの米国不動産の売却は、日本でも課税対象となります。(447)
非適格使用の住居売却益は課税対象 Nonqualified Use is Taxable
- At November 25, 2013
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<非適格使用の住居売却益は課税対象 Nonqualified Use is Taxable>
2年間の所有条件と居住条件を同時に満たした主たる住居の売却益(譲渡益)は、夫婦合算申告50万ドル、独身・夫婦個別申告25万ドルまでの金額が非課税扱いとなります。過去の住居の使用目的が主たる住居(適格使用)だけであれば問題ないのですが、賃貸、その他の主たる住居目的以外に使用されていた場合、25万ドル・50万ドルの非課税額は制限されて満額認められず、一部否認されます。
非適格使用の住居売却益が課税される例で解説します。
(例)独身Aさんは、2009年1月1日に40万ドルで住居を購入して、賃貸(非適格使用)のために2年間使用。2011年1月1日、その家に移り住み「主たる住居」(適格使用)として2年間以上使用。2014年1月1日、その住居を70万ドルで売却し、30万ドル(70万―40万=30万)のキャピタル・ゲイン(譲渡益)を得たとします。便宜上減価償却は計算からはずして説明します。主たる住居の「所有条件」および「居住条件」を2年以上満たしてはいるものの、2009年と2010年の2年間の賃貸使用があるため、その非適格使用期間に対応する譲渡益は課税対象となります。30万ドルの譲渡益のうち40%(2年÷5年=40%)相当分の12万ドルは課税され、残りの18万ドル(60%)だけが非課税扱いとなります。(446)
主たる住居の非課税売却益 Exclusion of Gain on Sale of Principal Residence
- At November 25, 2013
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<主たる住居の非課税売却益 Exclusion of Gain on Sale of Principal Residence>
納税者が住んでいた主たる住居を売って得た売却益のうち、夫婦合算申告は50万ドルまで、独身・夫婦個別申告は25万ドルまでを非課税扱いとすることができます。この主たる住居売却益の非課税措置を受けるためには、売却日以前の5年間のうち2年間について、①納税者が住居を所有していたこと(所有条件)、そして、②納税者がその家を実際に日常的住まいとして使用していたこと(居住条件)という2条件を満たす必要があります。住居売却から2年が経過した後、再び2年間の所有条件と居住条件さえ満たしていれば、住居売却益の非課税措置を、一生に何度でも利用できます。
売却益とは、住居の売値から譲渡費用、取得費、改築費を差し引いた後の譲渡所得(キャピタル・ゲイン)のことです。
50万ドル(25万ドル)の非課税枠を超える売却益がある場合は、超過額が連邦(23.8%)、および、州・市の所得税の対象となります。譲渡所得はスケジュールDで申告します。
夫婦の片方名義の住居であっても、夫婦合算申告を適用すれば所有条件を満たして、50万ドルまでの非課税扱いを受けられます。ただし、夫婦の双方が居住条件を満たす必要があります。日本へ帰国後非居住外国人となった後の売却は、夫婦個別申告が適用されて非課税額が25万ドルに制限されて不利になる場合があるため注意を要します。(444)
不動産源泉税の免除証明書 Withholding Certificate
- At November 25, 2013
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<不動産源泉税の免除証明書 Withholding Certificate>
外国人の不動産譲渡に課せられる10%源泉税を回避するための免除証明書について検討します。市場低迷による不動産の値下がりのため譲渡損失になる場合や、主たる住居の所有者一人につき25万ドルの売却益の非課税措置を適用する場合、あるいは、同種交換による課税繰延べ措置を利用する場合は、IRS (内国歳入庁)への申請によって10%源泉税の免除証明書の取得が可能です。申請書フォーム8288-Bに必要事項を記入して譲渡クロージング日以前にIRSへ提出すると、通常であれば徴収後20日以内にIRSに納付される10%源泉税が、免除の申請をすることにより、IRSではなく買い手の弁護士のエスクローに預託管理されます。約90日後(予定)にIRS審査が終了し免除証明書が発行されると、源泉税の全額、または、最終税額との差額が売り手に払い戻され、残りはIRSへ納付されます。売り手は年明けの申告書提出期限までに不動産の譲渡損益を確定申告書上報告して税金の清算を行います。
免除証明書を利用する場合、過払税金が納税者に返金されるまでに、およそ4カ月待たなければなりません。しかもIRSの審査が滞りなく行われる保証はなく、往々にして免除証明書の発行が遅れることがあって、必ず得策になるとは限りません。そのため不動産の売買契約が年度の後半に行われる場合は、免除証明書を申請せずに確定申告書で税金清算をして還付金を受け取ることが勧められます。
米国で支払った税金について日本で外国税額控除を受けられるのは、10%源泉税ではなく、清算後の最終税額です。(391)
外国人の米国不動産譲渡にかかる税金 Withholding Tax on U.S. Real Estate Sale
- At November 25, 2013
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<外国人の米国不動産譲渡にかかる税金 Withholding Tax on U.S. Real Estate Sale>
非居住外国人や外国法人が米国内に所有していた不動産を売却する際、買い手(購入者)は不動産売却価格の10%の源泉税を差し引いてIRS(内国歳入庁)へ納付する義務があります。グリーンカード以外のビザで米国に滞在し住居を購入して住んでいた日本人が日本へ帰国後その住居を売った場合や、日本から直接投資の形で米国内に保有していた不動産を外国人が売却した場合に課せられる連邦税がこの10%源泉税です。連邦税の他に州によっては、非居住者が不動産を売却する際、源泉徴収または予定納税による納税を必要とする場合があります。
不動産の売却価格が30万ドル以下であり、購入者がその物件を今後自分の日常的な住まいとして取得する場合には、10%源泉税の対象とはなりません。売却価格が取得費よりも低いため売却損になることがわかっていても、売り手がIRSから源泉税の免除を認可する証明書の発行を受けない限り、10%源泉税を回避することはできません。源泉税免除の証明書の発行を受けるためには、事前に申請書フォーム8288-Bと免除の根拠を示す書類をIRSに提出する必要があります。
10%源泉税は最終的な税金ではなく、売り手は後日確定申告書フォーム1040NR (法人はフォーム1120F) を提出して、税金の清算をする義務があります。確定申告書に譲渡損益計算書と源泉徴収票フォーム8288-Aを添付して、税金の還付を受けるか、あるいは、追加の支払いをすることになります。(390)
住居売却益の非課税措置4 Exlusion of Gain on Sale of Residence
- At November 25, 2013
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<住居売却益の非課税措置4 Exlusion of Gain on Sale of Residence>
住居の使用目的の変更、すなわち、賃貸・別荘目的から主たる住居目的への変更が2008年以前に行われ、2009年以降の住居の使用目的は主たる住居だけであった場合、その住居を売却して得る譲渡益のうち、25万ドル・50万ドルの非課税額は否認されることなく満額認められます。
(例3)住居の使用目的の変更が、2008年以前に行われた場合。
DE夫妻は、1998年に住居を取得して以来、2008年までの10年間引き続きその住居を賃貸住宅として使用した後、2008年に主たる住居としてその家に移り住み、生活を始めました。その8年後、住居を売却してキャピタル・ゲイン(譲渡益)を得ました。
DE夫妻は2年間の「所有条件」および「居住条件」を満たしているため、夫婦合算申告者に認められる50万ドルまでの主たる住居売却益の非課税措置の適用を受けます。住居を賃貸目的で使用していた期間は2008年以前であり、2009年以降には住居の非適格使用はなかったため、非適格使用に起因する課税対象の譲渡益の金額を計算する必要はありません。2009年以降に主たる住居以外の非適格使用があった住居を売却(譲渡)した場合にのみ、新規定による課税対象となる譲渡益の計算を必要とします。(251)
住居売却益の非課税措置3 Exlusion of Gain on Sale of Residence
- At November 25, 2013
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<住居売却益の非課税措置3 Exlusion of Gain on Sale of Residence>
2009年以降、主たる住居以外の非適格使用があった住居を売却(譲渡)した場合、新規定が適用されて25万ドル・50万ドルの非課税額が満額認めらないことがあります。
(例2)2008年以前に住居を購入し、2009年以降に売却した場合。
NJ州在住の夫婦合算で申告を行っているBC夫妻は、1999年1月1日に10万ドルで避暑地にある住居を購入し、増改築に15万ドルを費やしました。住居は休暇のために2011年12月31まで使用(非適格使用)していました。2012年1月1日、主たる住居(適格使用)としてその家に移り住み、生活を始めました。さらに2年後の2014年1月1日、その住居を85万ドルで売却し、60万ドル(85万ドルマイナス
取得費・増改築費25万ドル=60万ドル)のキャピタルゲイン(譲渡益)を得ました。
BC夫妻は2年間の「所有条件」および「居住条件」を満たしてはいるものの、2009年から2011年までの休暇使用の3年間は主たる住居以外の非適格使用であるため、その期間に対応する譲渡益は課税対象となります。非適格使用の3年間が住居所有の全期間15年間に占める割合は20%であるため、60万ドルの譲渡益のうち12万ドル(60万ドルの20%)は課税対象の譲渡益となり、残りの48万ドルだけが非課税扱いとなります。従って、譲渡益60万ドルのうち12万ドルは課税対象となり連邦税(2009年現在長期キャピタルゲイン税率15%での課税)が課せられます。(250)
住居売却益の非課税措置2 Exclusion of Gain on Sale of Residence
- At November 25, 2013
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<住居売却益の非課税措置2 Exclusion of Gain on Sale of Residence>
過去に賃貸していた住居を売却(譲渡)した場合、居住条件の範囲に新しく加えられた制限のため、25万ドル・50万ドルの非課税額が満額認めらないことがあります。
(例)2009年以降に住居を購入し、売却した場合。
改正法は、住居の使用が主たる住居としての適格使用であるか、それ以外の非適格使用であるかという、住居売却益の課税・非課税の決定上、新しい概念を導入しました。NY市内に住む独身Aさんは、2009年4月1日に40万ドルで避暑地にある住居を購入して、休暇のために使用(非適格使用)していました。3年後の2012年4月1日、主たる住居(適格使用)としてその家に移り住み、生活を始めました。さらに2年後の2014年4月1日、その住居を90万ドルで売却し、50万ドルのキャピタル・ゲイン(譲渡益)を得ました。Aさんは2年間の「所有条件」および「居住条件」を満たしてはいるものの、休暇使用の3年間は主たる住居以外の非適格使用であるため、その期間に対応する譲渡益は課税対象となります。50万ドルの譲渡益のうち30万ドルは課税対象の譲渡益となり、残りの20万ドルだけが非課税扱いとなります。(249)