所得調整控除04・自営業諸控除  Self-Employed Deductions

<所得調整控除(4)・自営業諸控除  Self-Employed Deductions>

 自営業が支払う健康保険料、自営業税、退職基金拠出金は、所得調整控除の一つとして控除が認められます。

自営業健康保険料――本人、配偶者、扶養家族の健康保険料は、全額控除が認められます。パートナーシップのパートナー、S法人の株主も健康保険料の所得調整控除が認められます。ただし、控除額は事業所得、パートナーシップ所得、S法人所得の金額までです。

自営業税――自営業が支払う税金であるセルフ・エンプロイメント税(自営業税)は、ソーシャル・セキュリティー税12.4%とメディケア税2.9%の合計額です。その50%分の控除が認められます。これらの税金の半額ずつが本人負担と会社負担となっている給与所得者と比べて、全額負担の自営業は税負担増となっているため、その点を是正する効果があります。

退職基金拠出金――自営業のための適格退職基金への拠出金は、控除が認められます。適格退職基金としてKeogh Plan、SEP、SIMPLEがあります。(39)

所得調整控除03・学生ローン支払利息  Student Loan Interest

<所得調整控除(3)・学生ローン支払利息  Student Loan Interest>

 税金の計算上利息の控除が認められる借り入れは、住宅ローン、投資借り入れ、学生ローンの3種類に限られます。学生ローンの支払利息は、所得調整控除の一つとして控除が認められます。納税者は毎年概算額控除または項目別控除のいずれか有利な控除方式を選択しますが、学生ローンの支払利息はどちらの控除方式を選択しても控除が認められます。大学、大学院、専門学校、職業訓練機関の授業料、教科書などの学費や寮費、食費、交通費を支払うための借り入れで、納税者、配偶者、または扶養家族の50%超パートタイムの教育費として支出することが必要条件です。控除の対象となる支払利息の上限額は、年間2500ドルです。ローン返済が終了するまでの全期間について何年でも控除が認められます。

高額所得者は所得レベルによる段階的削減規定の対象となります。すなわち、所得が独身6万ドル、夫婦合算申告12万5000ドルを超えると、控除額は段階的に減額し、独身7万5000ドル、夫婦合算申告15万5000ドルに達すると控除額はゼロとなります。親の申告書上、扶養家族となっている場合、および、既婚者で個別申告をする場合は、学生ローン支払利息控除は認められません。後の年度に親の扶養家族でなくなった場合や、夫婦合算申告を選択するようになった場合には、控除が認められます。(38)

所得調整控除02・IRA拠出金控除  IRA Deduction

<所得調整控除(2)IRA拠出金控除  IRA Deduction>

 IRA(個人退職基金口座)への年間拠出金は、所得調整控除の一つとして控除が認められます。IRA(Individual Retirement Account) は、銀行や証券会社で開設できます。給与や事業所得などの勤労所得の中から5500ドル(50歳以上6500ドル)を積み立てる(拠出する)と、税金計算上、控除できます。毎年加算される利息収益分は将来分配を受けるまで非課税です。拠出期限は翌年の4月15日です。

納税者が会社のペンション・プラン、401(k)プランなどの適格年金制度に既に加入している場合は、所得レベルが低ければいいのですが、高額所得(夫婦合算所得11万5000ドル超、独身6万9000ドル超)になると、IRAへ拠出しても控除は認められなくなります。夫婦合算所得9万5000ドルと11万5000ドルの間、独身5万9000ドルと6万9000ドル間で、IRA控除は段階的に消滅します。専業主婦用のIRA拠出の所得レベルには別枠が設けられていて、夫が適格年金制度に加入していても、合算所得が17万8000ドルまでであれば、5500ドル(50歳以上6500ドル)全額の控除が認められます。調整総所得が17万8000ドルと18万8000ドルの間で控除金額段階的に減額します。所得レベルが高いため控除が認められなかったIRA拠出金がある場合、将来のIRA分配のうち元金分については非課税、利子収益分については課税対象となります。(37)

所得調整控除01・転勤費用控除 Moving Expenses

<所得調整控除 転勤費用控除 Moving Expenses>

 転勤費用は、所得調整控除の一つとして控除が認められます。新しい勤務地への引越費用で、納税者本人と家族の旅費、宿泊費、家財道具運送料の合計額です。転勤費用の控除が認められるためには、転勤距離条件と勤務期間条件の二条件を満たす必要があります。

「転勤距離条件」―旧住居と新勤務地の間の距離が、旧住居と旧勤務地の間の距離よりも50マイル以上長くなければなりません。控除が認められるためには、新卒者の初就職を除き、勤務地が変わる必要があります。勤務地は同じまま、単に50マイル以上離れた新住居へ引っ越した場合の費用は控除できません。同一の雇用主であっても勤務地が変われば適格費用として控除できます。自由業も被用者の場合と同様、条件さえ満たせば新居への引越費用の控除が認められます。

「勤務期間条件」―新しい勤務地に到着後の12ヵ月のうち、少なくとも39週間フルタイムで働くことを要します。勤続の必要はなく、12ヵ月のうち合計勤務日数が39週間分であればよいことになっています。同一の勤務先である必要はなく、異なる雇用主であってもかまいません。国外からの転勤費用も控除が認められます。

転勤費用は、所得調整控除の一つとして控除が認められます。新しい勤務地への引越費用で、納税者本人と家族の旅費、宿泊費、家財道具運送料の合計額です。転勤費用の控除が認められるためには、転勤距離条件と勤務期間条件の二条件を満たす必要があります。(36)

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