日本の相続税69-相続 公社債の評価方法
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<日本の相続(69)-公社債の評価方法>
公社債は、国や地方公共団体、事業会社などが一般投資家から資金を調達するために発行する有価証券です。公社債を財産として評価する場合、その種類に応じて、1.利付公社債、2.割引公社債、3.転換社債の3つに区分し、それぞれ異なった評価方法を適用します。
利付公社債は、券面に利札(クーポン)が付いていて、通常年二回利息が支払われます。ただし、登録債のように実際には券面のないものもあるため、注意を要します。評価の方法は、前回の利払日から相続日までの利息(既経過利息)を、その公社債の発行価額または市場価額に加え、いずれか低いほうの金額を評価額とします。
割引公社債は、券面額よりも割り引かれた価格で発行される債券です。差額(償還差益)が利息分となるため、利息前払方式と呼ばれています。割引公社債の発行価額に既経過償還差益(償還差益による実質的な利息分)を加えたものが評価額となります。(174)
日本の相続税68-相続 配当還元価額方式
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<日本の相続(68)-配当還元価額方式>
配当還元価額方式は、同族株主以外の支配権を持たない零細株主に適用される株式評価方式です。評価会社の過去2年間の平均配当額を10%で割った金額を評価額とする方法で、株式評価額は「支配株主」の場合よりも低くなります。株式の配当金額を資本還元することによって評価額を算出する方法です。この計算に使う資本還元率は10%ですが、実際の配当がもっと低かったとしても、5%の配当があったものと扱われるため、評価額は最低でも券面額の半分になります。
実質的に会社を支配している同族の大株主の場合、いざとなったらその会社の資産を処分できるような権限があります。したがって、株式そのものに、極めて高い価値があるといえます。それに対して零細株主は、会社に利益があった場合に、わずかな配当を受ける権利しかありません。それも支配株主の一存です。このため、株式といっても、それほど値打ちがあるわけではありません。こうした株主の立場や地位で評価方法が分けられています。当方式による株式評価額が、類似業種比準価額方式や純資産価額方式、配当還元方式などの原則的な評価方式よる株式評価額を超えるときは、原則的な評価方式による価額を評価額とします。(173)
日本の相続税67-相続 準資産価額方式
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<日本の相続(67)-準資産価額方式>
純資産価額方式は、同族非上場株式の評価方式の一つで、小会社に用いられます。この方式は、評価会社が課税時期に所有している資産を相続の評価基準によって評価替えをし、その合計額から負債の合計額を差し引いた金額、つまり、相続税評価ベースによる純資産価額を求め、これを株価算出の基準とするものです。同族グループの持ち株割合が50%未満の場合は、評価額は純資産価額の80%相当額によって評価します。
会社が土地などのいわゆる含み資産を所有していると、帳簿上は取得したときの価額が付けられますが、評価上は、相続税の評価額に置き換えられます。従って、その含み益が大きければ大きいほど株価も高くなるしくみです。なお、課税時期前3年以内に取得した土地や建物の資産価額は、相続税評価額ではなく、通常の取引価額とされます。
純資産価額方式で株価を計算するときは、会社資産の相続税評価ができるような資料が必要です。土地の場合は、路線価方式か倍率方式ですから、その土地の所在がわからなければなりませんし、建物があれば固定資産評価額を調べます。(172)
日本の相続税66-相続 類似業種比準価額方式
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<日本の相続(66)-類似業種比準価額方式>
類似業種比準価額は、非上場株式の評価方式の一つです。資産規模や取引規模から見ても、上場会社と変わらない非上場大会社の株式の評価は、上場会社の株式を基にして行います。事業内容が似ている(同業種の)上場会社の株価を基にして、これに1株当たりの配当、利益、純資産の3要素を加味した比準割合をかけて評価するものです。
まず、会社が国税庁通達のどの業種に該当するか調べます。次に、その業種の株価、配当、利益、純資産などの数値を確認します。そして、前期、前々期の決算書と法人税申告書から評価する会社の数値を把握し、すべての数値を類似業種比準価額方式の算式に当てはめて計算します。
配当、利益、純資産の中でも利益金額の調整割合が5分の3と大きくなっているため、利益が大きいと株価が高くなり、小さいと株価が低くなります。類似業種比準価額を下げるには各要素を下げればよく、1株当たりの配当金額や純資産価額、特に利益金額を引き下げる対策を立てることになります。例えば、資産を売却して含み損を実現させる、古い機械を新しいものに買い換えるなどです。(171)